最近、良く耳にする機会の多い高血圧。
高血圧は、様々な合併症を呼び起こす、恐ろしい生活習慣病です。
今回は、高血圧とはどのような病気なのか、簡単にまとめました。

>>目次
1. 高血圧とは?
– そもそも血圧とは何か?
– 最高血圧と最低血圧
– 高血圧は、血圧が高くなり、血管への圧力が強くなっている状態
– 高血圧は日本で最も患者の多い生活習慣病

2. 高血圧の種類
– 高血圧の原因によって分かれる、本態性高血圧と二次性高血圧症
– 細かな条件が異なる高血圧の種類
– 本当は高血圧なのに、一目でそうとはわからない、「仮面高血圧」に注意
– 検診時だけ血圧が上がる、白衣高血圧と職場高血圧

3.高血圧の基準
– 血圧の基準
– 「最高血圧が140㎜Hg、最低血圧が90㎜Hg」を超えたら高血圧
– 最低血圧が正常値でも、最高血圧が高かったら高血圧かもしれない

4.高血圧の症状
– 高血圧に自覚症状はない
– 高血圧によって発生した疾患や合併症の症状に注意

5.高血圧が高いままだとどうなるのか?
– 他の生活習慣病と組み合わさって、深刻な病気を引き起こす
– 高血圧によって引き起こされる病気

6.高血圧の原因

7.高血圧を改善するには?
– 生活習慣の改善が一番
– 病院での降圧剤による治療
– 家でも血圧を測る習慣をつけよう

1.高血圧とは?

そもそも血圧とは何か?

高血圧について説明する前に、先に血圧について簡単に触れておきます。

血圧とは、一言でいうと「血液を送り出す力」です。
血液は、心臓が収縮することによってポンプの様に移動していきます。
その時の、血液を送り出す力のことを血圧と言うのです。

最高血圧と最低血圧

血圧には種類があり、大きく分けて2種類あります。

送り出すために心臓が縮んだ時の血圧が最も高く、最高血圧といいます。
逆に、心臓に血を入れるため、心臓が膨らんだ時の血圧を最低血圧と言います。

血圧は、この二つの数値を測ることによって、血圧の正常値に収まっているか判断します。

高血圧は、血圧が高くなり、血管への圧力が強くなっている状態

高血圧は、体に血液を送り込む際の心臓の力が強くなり、血管に与えられる圧力が高くなっている状態のことを指します。
血圧が高くなるほど、血管は傷ついて、動脈硬化につながってしまうのです。

加えて、動脈硬化も高血圧の原因の一つとなっているため、どちらかが発症すると双方が深刻化していくという、悪循環こそが高血圧の一番恐ろしいところかもしれません。

高血圧は日本で最も患者の多い生活習慣病

高血圧は、生活の変化に伴って、年々患者が増えています。

また、高血圧は日本で最も患者の多い生活習慣病としても知られています。
その患者数は年齢と比例していて、50代の40%、60代の50%、70代の60%が高血圧であるとされています。
つまり、高齢者の方の半分は高血圧なのです。
誰にとっても他人事の話ではないのですね。

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2.高血圧の種類

高血圧の原因によって分かれる、本態性高血圧と二次性高血圧症

高血圧には種類があり、まず原因によって大きく二つに分類できます。

  • 一次性高血圧症(本態性高血圧)
  • 遺伝や環境、生活習慣が原因で発生する高血圧のことです。
    原因となりうるものが多く、はっきりと原因が特定できないことがほとんどです。

    高血圧の患者の97~98%がこれにあたります。

  • 二次性高血圧症

他の病気が原因で、血圧が上がってしまった状態のことを指します。
そのため、元の病気を治してしまえば、血圧も下がるとされています。

細かな条件が異なる高血圧の種類

先ほど、原因によって高血圧は本態性高血圧と二次性高血圧症の2種類に分かれる、という説明はしましたよね。

他にも、高血圧の種類には以下のようなものがあります。

肺高血圧

肺動脈の血圧が高い状態のことを指します。
動脈硬化などによって肺の血管が狭くなると、心臓は十分に血液を送り出すために、血圧を上げてしまいます。
この時、心臓から血液を送り出す右心室は、より強く血液を送り出すために、心臓の筋肉を太くしていきます。

その状態が続くと、心臓の壁が厚くなり続け、右心室の働きが悪くなり、右心不全を引き起こしてしまうこともあるのです。

原発性肺高血圧症

原発性肺高血圧症は、心臓や肺になんの原因もなく、肺の動脈の血圧が高くなってしまう病気です。
心臓や肺の機能に障害が出て、呼吸不全や心不全をもたらします。

早期発見が難しく、様態が悪いと数年で死亡してしまうこともある病気です。

国から難病指定をされていましたが、治療方法が最近発見され、研究が進んでいます。
患者数は多くなく、比較的若く、女性の方に発症することで知られています。

若年性高血圧

35歳までの若い世代の人がかかる高血圧のことを、若年性高血圧と言います。
若年性高血圧の患者は二次性高血圧症の確率が高く、約3割が二次性高血圧症です。

更年期高血圧

一方、更年期の患者の高血圧は、自律神経の乱れを主とした、一次性高血圧症である場合がほとんどです。
また、更年期高血圧は、それまで低血圧だった人が急に高血圧になったり、血圧が不安定で変動しやすかったりすることも特徴です。

本当は高血圧なのに、一目でそうとはわからない、「仮面高血圧」に注意

高血圧の種類の一つに、仮面高血圧というものがあります。
これは、実際は血圧が高いにもかかわらず、健康診断や人間ドッグの時は、正常値が出てしまう状態のことです。

健康診断で正常値が出ると、やっぱり安心しますよね。
そのように、高血圧を自覚するのが非常に遅くなってしまう可能性が高くなるため、仮面高血圧は恐ろしい存在なのです。

仮面高血圧には、以下のような種類があります。

  • 早朝高血圧
  • 夜間高血圧
  • ストレスによる高血圧
  • 喫煙による高血圧
早朝高血圧

朝、起床時だけ血圧が急激に上がってしまうタイプの高血圧です。
検診時には血圧は正常値に戻っているため、健康診断だけでは発見するのは難しい病気です。

また、早朝は脳卒中や心筋梗塞といった病気が発生しやすいため、より注意が必要です。

夜間高血圧

早朝高血圧とは逆で、夜、寝ている間だけ血圧が上がるタイプの高血圧です。
しかし、早朝高血圧と同様に、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いとされています。

ストレスによる高血圧

血圧は、ストレスによっても高くなります。
日ごろ仕事などでストレスを抱えていると、そのまま慢性的に高血圧になってしまうのです。

しかし、検診時はそういったストレスから解放されるため、いつもより低い血圧になることがあります。
このようなストレスによる高血圧も、仮面高血圧の一つになります。

喫煙による高血圧

喫煙は、高血圧の大きな原因の一つです。
タバコを吸っている間と、その後数十分は、通常よりもずっと血圧が高くなります。
ヘビースモーカーの人などは、さらにひどく血圧は上がっていきます。

しかし、健康診断の時だけは、禁煙しているため、正常値が出てしまうのです。

検診時だけ血圧が上がる、白衣高血圧と職場高血圧

次に、仮面高血圧とは全く逆の、検診の時だけ血圧が上がってしまう例を紹介します。

一つ目は、白衣症候群と言います。
病院などで白衣の人に血圧を測られる緊張から、普段より高い数値がでてしまうのです。

二つ目に、職場高血圧というものがあります。
これは、職場内での健康診断があった時に、職場のストレスがそのまま高い血圧につながってしまうことを指します。

職場高血圧は、上で説明した「ストレスによる高血圧」の裏返しでもあります。
患者がどちらの高血圧なのかというのは、患者のストレスや環境によって左右されます。

このように、血圧と言うのは、ちょっとした環境や個人の様態の変化で大きく変わってきます。
そのため、本当に高血圧なのか、逆に本当に高血圧ではないのか、といったところを見極めるのが難しい病気です。

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3.高血圧の基準

高血圧は、文字通り血圧が高い状態の病気です。
それでは、いったいどれ位の数値から、高血圧と診断されるのでしょうか。

血圧の基準

血圧には、以下のように細かなレベルが設定されています。

血圧のレベル 最高血圧 / 最低血圧
至適血圧 120(mmHg)未満 かつ 80(mmHg)未満
正常血圧 130未満 かつ 85未満
正常高値血圧 130~139 または 85~89
Ⅰ度高血圧 140~159 または 90~99
Ⅱ度高血圧 169~179 または 100~109
Ⅲ度高血圧(重症高血圧) 180以上 または 110以上
(孤立性)収縮期高血圧 140以上 かつ 90未満

この表で大切なのは、「正常血圧」と「Ⅰ度高血圧」の二つです。
正常血圧が、血圧の標準とされる数値になります。
高血圧の人は、この数値に到達するように頑張りましょう!

「最高血圧が140㎜Hg、最低血圧が90㎜Hg」を超えたら高血圧

Ⅰ度高血圧の「最高血圧が140㎜Hg~159㎜Hg、または最低血圧が90㎜Hg~99㎜Hg」という基準に到達すると、高血圧になってしまいます。

また、Ⅲ度高血圧は別名重症高血症とも言い、入院治療が早急に必要になります。

最低血圧が正常値でも、最高血圧が高かったら高血圧かもしれない

表の一番下に(孤立性)収縮期高血圧という項目がありますよね。

最低血圧が90㎜Hg未満と平常値でも、最高血圧だけが140mmHg以上の高い数値になってしまうタイプの高血圧です。

また、普通の高血圧は、最高血圧、最低血圧のどちらか一方でも基準を満たしてしまうと、高血圧と診断されてしまいます。
収縮期高血圧と合わせて、どちらの数値にも気を配る必要があるのです。

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4.高血圧の症状

高血圧に自覚症状はない

高血圧には、これといった明白な症状はありません。
加えて、原因がわからないことが多いため、気が付かないうちに高血圧が重症化して、手に負えない事態になってしまうのです。
このような特徴から、高血圧は「サイレント・キラー」という異名までついています。

高血圧の症状として、よく頭痛やめまいが挙げられます。
しかし、これは頭痛やめまいなどの体調不良から、逆にストレスがかかって血圧が上がってしまっている、と考えた方がよいでしょう。

高血圧によって発生した疾患や合併症の症状に注意

他にも、胸痛、動悸、呼吸困難、むくみといった症状がでることがあります。
これらの症状は、高血圧自体の症状ではなく、高血圧によって発生する疾患や合併症の症状や兆候なのです。

高血圧によって発生する疾患や合併症は、命にかかわる重たいものが多く存在します。
血圧が高くても、自分に特に変わりがないからと言って、油断は出来ないのです。

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5.高血圧が高いままだとどうなるのか?

他の生活習慣病と組み合わさって、深刻な病気を引き起こす

高血圧の厄介なところは、他の生活習慣病と同時に発病しやすいところにあります。
他に生活習慣病と合わせて発病すると、より深刻な病気を引き起こしやすいということですね。

高血圧と一緒に発病しやすい生活習慣病は、以下のようなものがあります。

  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 脂質異常症と糖尿病は、高血圧と合わせて発病すると、メタボリックシンドロームとなってしまいます。
    メタボリックシンドロームになってしまうと、動脈硬化をはじめとした、様々な生活習慣病にかかりやすくなります。

    また、多くの生活習慣病の原因には、共通して動脈硬化があげられます。
    高血圧の場合、動脈硬化が高血圧を引き起こし、高血圧も動脈硬化につながっていってしまうため、より危険性は高くなってしまうのです。

高血圧によって引き起こされる病気

高血圧は、自覚症状が無いままにどんどん進行していき、最終的に深刻な合併症を発病してしまいます。
このように、合併症が進行しているタイプの高血圧を、悪性高血圧(高血圧緊張症)と呼びます。

主な病気には、以下のようなものがあります。

  • 脳への病気
  • 脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など

  • 心臓への病気
  • 狭心症、心筋梗塞、心不全

  • 腎臓への病気
  • 腎硬化症、腎不全

    高血圧が元で心臓や腎臓に障害が出ることを、高血圧性疾患と呼びます。
    また、高血圧による心臓での異常を、高血圧性脳症と言います。

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6.高血圧の原因

高血圧の原因には、以下のようなものがあります。

  • 塩分過多
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 飲みすぎ
  • ストレス
  • 肥満・メタボリックシンドローム
  • 睡眠不足
  • 性格
  • 環境
  • 遺伝
  • 二次性高血圧
  • このように、高血圧の原因には様々な種類があり、個人によってどれが原因かも変わってきます。
    そのため、原因特定が難しい病気なのです。

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7.高血圧を改善するには?

高血圧はどのようにしたら改善ができるのでしょうか。
また、重度の高血圧になってしまった場合、治療法はどのようなものがあるのでしょうか。

生活習慣の改善が一番

高血圧を改善するには、まずその原因になりうる生活習慣を改善していくことから始まります。
上で述べた、高血圧の原因となるものをしないようにすれば良いのです。

特に、塩分の摂りすぎや運動不足、喫煙習慣などは、高血圧を大きく促進します。
早いうちからの減塩、運動、禁煙をお勧めします。

病院での降圧剤による治療

病院では、降圧剤によって血圧を下げる治療が受けられます。
薬には様々な種類があります。

家でも血圧を測る習慣をつけよう

高血圧は、原因がわからないことが多い上に、自覚障害もほぼ出ない、厄介な病気です。
そんな高血圧を早期に発見するには、年に一回の健康診断だけではなく、家庭での血圧の測定が大切です。
出来るだけ早く高血圧を発見し、合併症の危険を出来るだけなくしたいものです。

血圧はその時々の精神状態や体調などによって簡単に左右されてしまいます。
仮面高血圧などはその代表ですね。
毎日朝晩に測って、高血圧の早期発見を目指しましょう。

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